人間の目で見る刑法
刑法は難解-という考え方は定説になっている。法律を学ぶ人は”特殊な人”という考え方を一掃し、法律はだれでも分かるという意図で書かれたのが本書である。
豊富な判例、分かりやすい説明は読者をひきつける。例えば、「使い捨て自転車のリサイクルは犯罪か」。窃盗罪か占有離脱物横領罪か-。その分かれ目はどこにあるのか。あの大泥棒・石川五右衛門の辞世の句まで登場する。
旧東独警備兵が「ベルリンの壁」を越えようとした人を射殺した場合は殺人罪として有罪になるのか。
また川治プリンスホテル火災事件問題をテーマに、ホテルの経営者に管理責任があるか、興味深い話が多い。ホテルに泊まったら、まず非常口を確認せよ-と警告している。
最近の情報化時代の特ダネは犯罪か、特ダネか-問題を取り上げるなど興味深い話題が豊富である。
書籍名 | 人間の目で見る刑法 |
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著者名 | 法学部助教授 船山泰範・著 |
月号 | 1998年冬季号 No.74 |
価格 | 2,900円 |
出版社情報 | 東京都小金井市前原3-40-184、こぶし社 |